カテゴリー「経済・政治・国際」の150件の記事

2020年10月21日 (水)

弔意を求めながらも中曽根元首相の歴史認識とすれ違う人

タカ派というレッテルで短絡的に見られるが、今の右派政治家には無い見識。

中曽根さんという人は、レーガン大統領と「ロン・ヤス」と呼びあう会談姿をテレビで見せて、「少しは対等な日米関係になれるかも」という印象を与えた初の首相だった。

小泉さんの郵政民営化は騒いだ割に、たいしたことないし最近は大規模不正が起きているが、中曽根さんの電電公社や専売公社、国鉄などの民営化は高く評価されている。今どき、JRやNTTを国営に戻したいなんていう人はいないはずだ。

だが、うまく民営化できたのはバブル景気だったことも大きいと思う。しかし、そのタイムリーさを褒めて風見鶏とあだ名されたわけではなく、政策や派閥などの権力争いで言われたらしい。

その辺りは良く分からないのだけれど、中曽根さんがタカ派と思われながら、憲法改正に拘るよりも民営化という実利を取った姿が、左右両極から風見鶏に見えたのだろうか。どう見ても現実主義者に見えるのだが…。

最近、問題になったのは、17日の「内閣・自民党合同葬」に9千万円の税金投入と「国立大学に弔意を示す要請(旗掲揚)をした」という点だ。問題視されるのは仕方ないが、実はもっと大切な事を山内康一議員がブログで書いていた。

中曽根首相の言葉を三編引用し、優れた見識の保守政治家だと伝えている。

中曽根康弘首相の言葉【歴史認識】

太平洋戦争を経験した世代として、戦争を知らない世代に伝えておかねばならぬことがある。それは、二十世紀前半の我が国の帝国主義的膨張や侵略によって被害を受けたアジアの国々の怨恨は、容易には消え去らないであろうということだ。日本独特の「水に流す」は日本以外では通用しない。韓国や中国における現在の反日教育、ナショナリズムを高揚する教育をみれば、心のわだかまりが溶解するには長い時間と期間を要すると考えなければならない。こうした考えに立って、我々の歴史の過失と悲劇に対して、率直な反省を胸に刻みつつ、この失敗を乗り越えるための外交を粘り強く進めて行く必要があることを我々は今一度、銘記しなければならない。そうした意味で、日本の歩むべき道は、失敗に対する深い思慮とともに、アジアと国際社会の一員として、平和を守り、互いの利益と協力を尊重しながら国際社会に貢献して行くことである。
(中曽根康弘「宰相に外交感覚がない悲劇」新潮45:2012年11月号)

残りの短文二つ、「大東亜戦争の総括」、「愛国心とナショナリズム」も優れた内容だ。

それに反して、今の保守政治には空威張りみたいな人が多い。

 

 

2020年10月12日 (月)

ミシェル・オバマ夫人のスピーチ

前記事のつづき

政治家は言葉で説明する専門家のはずですが、日本の首相は「はぐらかす言葉」のみを使い、本音を隠します。それで通ってしまうのは、問題に向き合わないで曖昧なままやり過ごしたい日本人の体質に合うのだろうと思います。

8/17日の民主党大会でバイデン候補を応援したミシェル・オバマ前大統領夫人のスピーチが評判です。政治家ではありませんがスピーチ達者としても有名です。下のタイトルに「激烈」とありますが、やさしい言葉で静かに警告しています。長いので部分引用です。

全訳 ミシェル・オバマが放った冷静かつ激烈なスピーチ

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・・・

私は大統領という職業の計り知れない重さと畏怖を起こさせるような力を直接知っている一握りの中の1人です。ですから改めてこう言わせてください。この仕事はとても大変なものです。明晰な頭で判断し、複雑かつ矛盾することに精通し、事実と歴史に目を向けること。道徳的規範と人の話に耳を傾ける能力、この国の3億3000万人の命には意味と価値があるという不変の信念。これらがすべて必要なのです。

大統領の言葉には市場を動かす力があります。戦争を引き起こす力がある一方で、平和をもたらす力もあります。大統領の言葉は私たちの中の善良な天使を呼び集めることもできれば、最悪の衝動を目覚めさせることもできるのです。ごまかしながらこの仕事を乗り切ることはできないのです。

●一般投票では300万票の差で負けた人物

・・・(四年前の)結果がこんなに接戦だとは思わなかったのかもしれません。・・・原因はなんであれ、その選択が一般投票では300万票の差で負けた人物を大統領執務室に送ることになったのです。

大統領選の結果を左右した州の1つでは、勝敗を決めた得票数の差が1選挙区当たり平均2票でした。2票です。私たちはこの2票がもたらした結果を耐えて生きているのです。

・・・

●権力が「強欲は善だ」口にするのを見ている

子どもたちは食料品店で大声でわめいている人たち、みんなの安全のためにマスクをつけるのを拒む人たちを見てきました。自分のことをしているだけの人たちを肌の色を理由に警察に通報する人を見てきました。

権力が「一部の人だけがここに属している」「強欲は善だ」「自分がトップにいる以上、勝つことがすべてだ。他の人たちに何が起きようと関係ない」と口にするのを見ているのです。そして共感の欠落があからさまな侮蔑へと勢いを増したときに何が起きるのかを見ています。

・・・

人種や年齢、宗教、支持政党に関わらず、騒音や恐怖を締め出し、真に心を開いたとき、この国で今起きていることは正しくないと認識できるのです。これは自分たちのなりたい姿ではないと。

●ドナルド・トランプは私たちの国に相応しくない大統領

この4年間、私は多くの人から聞かれました。「相手のレベルがこんなにも低俗なとき、それでもまだ高いレベルで立ち向かうのが有効なのか?」と。

私の答えはこうです。「高いレベルで立ち向かうことが唯一のやり方です」。もし私たちも低いレベルに落ち、相手を貶め非人間的に扱うという同じ戦術を取れば、私たちもすべてのものを消し去る醜い騒音の一部になってしまうから。私たちは自分を、そして私たちが戦っている大義そのものを貶めることになるのです。

でもここで明らかにしておきましょう。高いレベルで立ち向かうということは悪意や残酷さに直面したとき、笑顔を浮かべて親切な言葉を口にすることではありません。高いレベルで立ち向かうというのはより困難な道を行くことです。・・・・・神の下の一つの国であることを心に留めながら憎悪に断固として立ち向かうこと。・・・・

高いレベルで行くということは、私たちを真の意味で自由にしてくれるもの、つまり冷徹な事実によって嘘と不信という足かせを外すことなのです。

ここで正直に、そしてはっきりと言わせてください。ドナルド・トランプは私たちの国に相応しくない大統領です。・・・・

私たちを投票させまいとしている

・・・・・公正でごまかしのない手段では勝つことができないとわかっている人たちが、できる限りの手段を講じて私たちを投票させまいとしているからです。彼らはマイノリティの人々が住む地域で投票所を閉鎖しています。有権者名簿を処分しています。有権者たちを威圧するための人を送り出し、投票のセキュリティに関して嘘をついています。こういった戦術は今に始まったものではありません。

・・・・・中略

歩きやすい靴を選び、マスクをし、夕食を、もしかしたら朝食も紙袋に入れて持って投票所に出かけなくてはなりません。なぜなら、私たちは必要なら一晩中並ぶこともいとわないからです。

 

2020年10月11日 (日)

コロナとウソに汚染されたアメリカ大統領選挙

「私が話しているんです。」カマラ・ハリス

前記事の続き

奇しくも日米の権力者が相次いで病気になった。安倍さんが辞めてから元気にみえるのは、政権移譲がうまくいった計画辞任だったからだろう。一方、トランプ大統領のコロナ感染は計画的ではなかった。

ニュース速報をネットで見た時はフェイクだと思った。直前に「ディープフェイク技術で女優のポルノ映像作者が逮捕」というニュースがあったせいだ。しかし、多くの日本人は、彼が今まで感染しなかった方に驚いていたのだから、「やっぱりね」つまり必然だった。

その後の、大統領の感染経緯と病状が良く分からないのは、真実が報道されても、前後に嘘がたくさん報道され、何が本当なのか分らなくするためだ。これが今のアメリカである。現職大統領が自らのコロナ対策ルールに違反した早すぎる退院劇は焦りの表れだが、その口で『法と秩序』を訴えるのだからアメリカ社会の劣化が現れている。「陰性になった」という報道が無いから、まだ陽性なのだろう・・・。

10/18第二回討論会は中止になるようだ。

そうなると、トランプ氏が壇上で大声で「俺はコロナに勝った」と近づき、後ずさりするバイデン氏をテレビで「チキン」呼ばわり、というシーンは杞憂になった。

現職の副大統領ペンス氏VS 元カルフォルニア州検事総長ハリス氏

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大統領候補の討論会が荒れたために、こちらの討論会はまあ正常に行われた。予想はハリス氏がペンス氏を攻撃的に質問攻めするとあった。「ホワイトハウスの危機管理もできない人に国を任せられない」という風に攻めるかと思いきや、笑みを絶やさずカメラ目線で語るから意外だった。

討論後に配偶者が壇上に昇ったが、ペンス夫人がマスクをしないのは会場ルールに反するらしい。どうやら、人前でマスクをするのが敗者の姿とみる人がいるのだ。ネットで在米日本人が、アメリカの感染者数が多い理由を、不衛生と教育の低さだと嘆いていたのを想い出した。実際、この日、ペンス副大統領の頭にハエが止まっていた。

早口の同時通訳を聞いたが討論会は引き分けに見えた。しかしアメリカでの評価はハリス氏優位と伝える記事が多かった。

ところで、「私が話しているんです。」(BBC)というハリス氏の言葉。確かに中継で何度か見聞きしたが、私が感じた以上に女性たちに大きな共感を生んだらしい。 

「副大統領、私が話しているんです」と、ハリス議員はほほ笑みながらたしなめた。「よろしければこのまま続けさせてください。そうすれば、会話ができます」。

つまり、男性中心の組織や家庭にいる女性にとって、この姿は「自分もそうだったわ」とジェンダー(社会的性差)を思わせる効果があったという。そして、ペンス氏に対して注意ではなく、お願いの言葉を使ったのは計算づくだったと記事では書いていた。

今回の司会は女性だった。前回の司会者のように相手の発言を遮る候補者を注意することは無かった(と思う)。そもそも討論会の運営が未熟すぎだ、マイクoffと持ち時間制を導入すればよい。

 

2020年10月 5日 (月)

大統領選のテレビ討論会にみた今のアメリカ

テレビ討論会の前に討論に勝利したと支持者にメールする男が次にやること。

10月7日には副大統領候補者のテレビ討論会、10/15と10/22にも大統候補者のテレビ討論会が予定される。


NHKの生中継は両候補者と司会者の三人に対し、三人の同時通訳がついたらしい。トランプ氏の横やり発言が酷すぎて六人の声が入り混じったトンデモナイ中継だった。

ネット(TBSテレビ)にしたが似たようなものだった。次に、Abemaテレビにしたら比較的聴き取り易かった。AIポンタという自動翻訳も流れるのだが、翻訳精度はとても悪かった。通訳者が早口で話さざるを得なかったためだろう。

 それでも面白かった。

普通はシナリオを描いて模擬演習をするはずだが、トランプ氏が人の意見を取り入れた練習をするかは疑問だ。相手の発言中に横やりを入れるのは、怒らせるためだった。その挑発的ケースを想定していたらしく、バイデン氏はカメラ目線を貫いた(キレそうになった場面もあった)。視線を交わさない姿が弱く見えるという人もいるが、対面していたら低俗な口論会、或いは場外乱闘で終わっていた。

「史上最悪の討論会」として両者を批判する意見もあるが、それは過剰な公平感だと思う。「不規則発言が多い」という見出しもあるが、それも正しくない。相手の発言を乱す妨害行為である。そもそも討論会と言っても、よい結論を得るためではなく相手をやり込める場であり、そのプロセスからいかに好感を得られるかを演じる場なのだと思う。

BBCはトランプ氏がバイデン氏の発言に割り込んだ回数を73回と伝えた。

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司会者が注意してもトランプ氏は最後まで改めなかった。『マイクをオフ』にしないのは、そうするルールが無かったためだ(次回からそうするようだ)。ようするに、今まで討論会ルールを破る候補者など一人もいなかったからだ。司会者は保守系Foxニュースの人だから、共和党の人からも恥ずべき人ということになるからこそ、隠れトランプ支持者がいるのだろう。

実は4年前のTV討論会で、ヒラリー氏の発言中にトランプ氏は壇上を歩き回り、彼女の背後に立つという行為をした。「とても気持ち悪かった」と彼女は後に述べていた。今回、ソーシャルディスタンスのルールが無ければまた繰り返したかもしれない。

喩えれば、授業中に歩き回り、大声を出して他の子の勉強を妨げるような子供なのだ。実際そう振る舞った。

Abemaテレビの中継はその後CNNスタジオでの論評に切り替わり、討論を妨害した、最初の約束を果たしていない、倫理が無い・・・・とトランプ批判が続いていた。アメリカのマスコミは意見を鮮明にするから、ニューヨークタイムスやワシントンポスト、CNNはトランプを遠慮なく批判する。しかし、FOXニュースは「驚きがなかった」、「有権者の投票に影響を与えるようなことは何も起こらなかった」と論評している(こちら)。

  • 見たいものだけを見る時代

討論会後の調査は、CBS放送がバイデン48%、トランプ41%。CNNは同60%、28%と伝えているが、2016年の第1回討論会後の調査とほぼ同じとも言われる。当時は62%がヒラリー氏、27%がトランプ氏だった。討論会の視聴者は米国民全体よりも党派色が強く、通常調査よりも民主党支持者が多く、39%が民主党、25%が共和党を自認しているという。

 ところで、野村リサーチの木内エコノミストのレポートにはこう書いてあった。

トランプ大統領は、今回のテレビ討論会の数時間前に支持者向けに、討論に勝利したとのメールを送っている。つまり選挙後には結果を待たずに支持者に向けて勝利宣言を出すかもしれないのだ。

これが今のアメリカなのかも知れないが、決して笑えない。

つづく

2020年9月30日 (水)

携帯キャリアをビール会社にしたい菅政権

悪者に見立てて叩き、喝さいを浴びるのはポピュリズムの定石?

末尾に 格安スマホ、iPhone SEの64GBタイプで二年間の総額

菅首相は「役所の縦割り、既得権益、前例主義を打倒し、規制改革を進めたい」と強調する。表向き反対する人はいないが、本気でやったら反対する人がいっぱい出てくる、ということを菅さんは分かって言っている。そもそも既得権益の上に成り立つのが保守政治なのだから。

最初の例がデジタル庁新設携帯料金値下げだった。最近は、「ハンコ廃止=行革」も加わり、大衆受けしやすいテーマになっているがスケール感が小さい。政権発足時には誰かを悪者に見立てて叩くのは定石なのだろう。官僚を叩くのは危険だから三大キャリアを叩いている。値下げは政府の腹が痛まない点でも楽だ。

日本の通信料金は高すぎる、と煽るが国際比較は条件が違いすぎて単純比較はしにくい。でも、ドコモやKDDI、ソフトバンクの御三家の本業の収益力を示す営業利益率は19%もある。10%超したら優良企業なので、超が付く儲けぶり。だから叩いてもイイという大衆心理は働きやすい。しかし、この高収益は三社しかいないという寡占化による面が強い。彼らは価格競争を避けて広告合戦ばかりをし、CMで満足する人もいる。

高価格なiPhone利用者が多いように、日本人の高性能志向も高収益の源になる。価格より品質やサービス重視が根強いのだ。低価格用として格安スマホへ乗り換える道が確立しているのに、乗り換えは少ない。ここが安いと言って食品を買い回る人が、スマホの乗り換えをしないのは、その利便性を享受するには高くてもまぁいいか、と案外思っているのではないか。

そもそも乗り換え手続きが面倒とか接続品質にこだわるなら高価格は当然だ。それでも高すぎる、として武田総務大臣は「一割程度の値下げでは改革にならない」と息巻く。大容量プランを指しているらしくてドコモが7150円(30GB)、KDDIが7650円(無制限)というヘビーユーザー向けの値引きが噂される。低容量ユーザーには大したことないかも。

本日、ドコモ株はストップ高だった。NTTがドコモを上場廃止して完全子会社化を決めたからだ。

子会社化の理由は他にあったとしても、このタイミングでやれば、「犬のお父さん」が尻尾を振ってギブアップしたも同然だ。菅首相のメンツがかかっているから、電波使用料の値上げをチラつかせた値下げ圧力の強さを感じる。

値下げが確実になった反面、今春から参入した楽天モバイルには痛手になる。本来は新規参入を促し競争を激しくして値下げになるのが良いのだが、今の日本は政治圧力が企業を振り回す。安倍さんが経済界に賃上げ要請したのを想い出した。

 日経 楽天の5G携帯、月2980円、大手の半額以下

「今までできなかったことをやった」と菅さんが成果を強調すれば世間は簡単に評価すると思うが、それは、国民の政治に対する期待値が低すぎることの裏返しなのだろうと思う。

所で10月から酒税改正で、350mmあたりビール(税額77円)が7円減税、第3のビール(同28円)は約10円増税だ。発泡酒は変わらず、日本酒は減税、ワインは増税。それを各社は価格に転嫁するだろう。昔から、酒税メーカーの業績は税改正をモロに受けている。どうやら通信キャリアも政府の手のひらに収まるようになってしまった。

ちなみに、イオンは自社ブランドの第三のビールを税別78円のままに据え置く。このような足並みを揃えない会社こそ日本には必要なのでは無いだろうか。

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参考 日経XTECで、iPhoneを安く使うにはどの格安スマホ事業者から購入すべきか

現在の売れ筋モデルのiPhone SE(第2世代)の64GBタイプで、二年間の総額を調べてある。

ワイモバイル MNPで転入するという条件付きで、端末+利用料は10万9332円。

UQモバイル 最安の「スマホプランS」で2年間使った場合 端末+利用料は8万7912円

Mineo  通話付きの最安プラン「デュアルタイプ Aプラン(500MB)」で端末+利用料は8万6064円。

OCN モバイル ONE 通話付きの最安プラン「1GB/月コース」で、MNPで転入するという条件付きで端末+利用料は7万4552円となる。

 

2020年9月14日 (月)

オリエンタルランド 冬のボーナス 7割削減

NHKニュースは中段から。
 
アベノミクスの成果として失業率の低下が取り上げられる。
安倍内閣の2012年12月の4.3%から去年11月には2.2%まで低下した。1992年10月以来の低水準といわれる。雇用形態の質(非正規)という不完全性はあるのだが、失業率は政治安定のバロメーターである。
現在はコロナ禍で失業率が高まっているが、7月の労働力調査では2.9%だった。欧米と比べたらとても低い。
しかし野口悠紀雄氏「雇用されているが働いていない」人々、休業者が大量にいるとみる。
国が企業に払う雇用調整助成金で給料を支えているというものだ。助成金は、4月1日から9月30日までの間、1人日額8,330円⇒15,000円へ引き上げられている。そして休業者は失業率にカウントされない。
企業には「賃金を払わなくてもよい人々」と見られているわけだから、助成金等のつっかい棒が外れたらいずれは労働市場へ放出されるのだろう。
解雇が容易ではない日本では失業率は遅れて悪化する遅効指標である。
今後、失業リスクが現役層に強く押しかかれば、経済を抑えるような強い感染症対策はムリになると思う。



オリエンタルランド 冬のボーナス 7割削減 当初計画比 コロナ



東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを運営するオリエンタルランドは、新型コロナウイルスの影響で業績が悪化していることから、人件費の大幅な削減を打ち出し、およそ4000人いる正社員と嘱託社員を対象に、ことしの冬のボーナスを7割削減することを決めました。

テーマパークの運営に関わるおよそ2000人の「限定正社員」のボーナスも5割削減します。

パレードに出演するダンサーについては、当面パレードの本格的な再開が見込めないとして、園内のほかの業務への配置転換を求めたうえで、合意できない場合は退職を促すとしています。




また、業績の悪化を受けて、すでに30%から10%減額している役員報酬についても今後、さらに減額幅を拡大するとしています。

オリエンタルランドは、新型コロナウイルスの影響でテーマパークの休業が続き、ことし6月までの3か月間の決算が248億円の赤字となりました。

7月の再開後も入園者数を絞っているほか、来年3月まで大規模なイベントもほとんど中止する予定で、今後も減収が避けられない見通しです。

2020年9月 1日 (火)

人情ごっこでリーダーを選ぶ悪習が日本の停滞

怪しい劇の第二幕、選挙前に当確が出る人情ごっこが招く未来

 一国のリーダーの健康不安は秘密がフツーなのに、周りは「疲れている」と広めたり、大名行列みたいな通院をテレビに撮らせていた。二階も。じゃない二回もだ。そして会見前日には「元気そうだ。続投するだろう」と幹部が言う。

前回、病気を理由に途中で放り投げたという評価だったから、「二度と病気を理由に辞めるハズは無い」と思っていたが、安倍さんのマッチョ風な言動からは意外な言葉だった。金曜の株価が下落したのは"予想外"という意味だ。なにしろ企業業績より政府資金が株価を支えるから。

安倍さんの一時間の会見は立ったままだった。記者の質問もたくさん受け付けており、プロンプターも使わないのだから、むしろ健康そうだった。

病気のことは事実としても、この先はコロナやオリンピックの実現性、新年度予算など難問ばかりだから、8/24月曜日の在任期間新記録達成をもって逃げた、ないしは「心が折れた」という印象だ。今後のスケジュールが楽だったら辞めないだろうから、コロナで折れた最初の宰相となった。
ところが、将来の政局次第では三度目の登場もあるらしい。次の国会で、議員席からヤジを飛ばしたりする姿で分かるかも知れない…。

土日の新聞は安倍政権の評価記事が多かったが、病気理由なので批判は抑制的になる。そして、世間の関心は総裁選の予想に移っている。たった二日で安倍政権の総括を終えたようなもの。本当に、日本人は総括することが苦手な国民である。

競馬予想みたいな総裁選報道を見ていると、先日の渡辺さん独白の番組を想い出した。

「独占告白 渡辺恒雄」

安倍さんの祖父・岸信介首相は安保改定の協力を得るため、見返りとして次の総理の順番を示す誓約書を書いた。密約である。「1番は大野伴睦、2番は河野一郎、3番は佐藤栄作」というもので、立会人として誓約書を預かったのは右翼の大物・児玉富士夫である。(河野太郎は孫になる)

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結果は池田隼人が首相になった。つまり大野は騙されたのだが、その理由は過去に大野が岸にしたことへの意趣返しなのだという。

総裁選報道を見ていると、今年の初めは岸田文雄氏が安倍さんの後継だと言われていたはずだ。それが、ここにきて菅官房長官が本命に急浮上した。

と同時に、岸田さんはアピール力が無いというようなネガティブ評価を言い出す人が現れた。岸田さんのあり様は関係者なら知っているわけで、今さら否定的に持ち出すのは不自然である。一方の菅氏だって、メリハリある物言いではないし、はぐらかし名人に見えるが、それだって能力ではなく、一強多弱の力関係や用心棒みたいな官邸官僚が居ればこそだろう。でも安倍政権を支えた論功行賞みたいだ。

そして、あろうことか選挙戦にも入っていないのに、菅氏が正式立候補する前なのに、派閥の数合わせで当選確実になった。開票速報よりも早い当確だ。岸田さんは、はしごを外された。

話はそれるが、先の番組で渡辺さんの観察では日本政治の本質は、「生臭い人情が政治を動かしている」というものだ。

そして現代の保守ジャーナリストの典型である田崎史郎氏も、結局は飲食した回数が決め手の世界、みたいなことを言っていた。義理と人情の世界という意味だろうが、それは戦後政治と本質的に変わっていないわけだ。それが、日本の停滞を招いているのだとつくづく思った。

村議会ではないのだ。 国のリーダーになる人の選挙なのだから政策と政策を語れる能力で評価すべきだろう。政策は同じだから意味がないという意見は逃げである。

好き嫌いと大臣ポスト欲しさが基準で選んでいる限り、進歩は無いから、これからも日本は衰退の道を歩むだろう。個人は賢く生きるか、予算にしがみつくしかないだろう。

気になるのは、来年度の予算はまともに組めるだろうかという点。

税収不足なのにバラマキしたもん勝ちみたいな財政になっている。

一体何年先の世代の糧を喰えばよいのか、その辺りも明朗会計で示して欲しい。

 

2020年8月29日 (土)

田原総一朗氏の転向理由

戦後日本政治の総括 (岩波書店 田原総一朗)に書かれた転向理由、そして宮沢喜一氏の知恵

前記事・渡辺恒雄氏の続き

本書の冒頭部分で、8月15日の午後のことが書かれている。国民学校初等科五年(11歳)の時だという。 

軍国少年だった私は、海軍兵学校に入り軍人となるのが夢だった。戦争に参加して死ぬことは決まっていたのでいかに華々しく死ぬかであったが、敗戦によりその夢が消えた。

Photo_20200829141501一・二章が若い頃の話し、その後はジャーナリストとしての歴代総理や政治家への生々しい取材である。テレビでお馴染みの口調で、戦後から今日の安倍政権までを政治ドキュメンタリー番組のように綴っている。

特に日米安保を軸とした対米関係の紆余曲折については読んでいて腑に落ちるが、ここでは前記事の続きとして左翼運動からの転向理由について取り上げる。

(戦後)高校から大学、社会に出てからも日本共産党を支持したのは、最後まで戦争に反対していたからであり、戦争の総括もせず、戦争協力者が少なからずいる自民党には、徹底的に批判的であった。学生の時に入党を促されたが、「幹部の話を聞くと、大変に厳しい活動と学習を行っていて、規律と言うものが苦手で・・・辞退した」とある。

渡辺さんの軍隊嫌いとも通ずるが、右・左問わず激しい思想運動になるほど洗脳や規律の度合いが高まるため、馴染めないのだろうと思う。

岩波映画に就職後も安保闘争へのデモに参加していたが、田原氏や全学連のリーダーだった西部萬氏らも安保条約の条文など読んだことは無かった、と述懐し、根底には岸信介が再び日本を軍国主義に戻すのではないかという、(敗戦で痛感した)政治権力への不信感だったとある。

●そのときから左翼ではなくなった。

新興のテレビ東京に移りドキュメンタリー番組を作っていた頃、1965年にモスクワで世界ドキュメンタリー会議が開かれ、日本代表として招待された。米ソ冷戦の最中であり、一年前にフルシチョフが失脚していた時だ。

当時の田原氏が、平等を最優先するソ連を「理想の国」と思っていたのは、「アメリカが日本を戦争に巻き込む国」と思う事の裏返しだと書いている。

滞在中にモスクワ大学の学生を集めて討論会を実施した。その時に「フルシチョフはなぜ失脚したのか」と質問し、答えてくれると思っていたら、学生たちの顔が真っ青になり、口が震えんばかりになった。同行者から「そんなことを聞いてはダメだ」と注意された、と言う。

「4週間の滞在中に、ソ連には言論・表現の自由が全くないことを思い知らされ、私が抱いていた幻想は叩き壊された。」

似た話しとして、国際エコノミストとして有名な長谷川慶太郎氏の例を書いている。長谷川氏はブルガリアから国内工場の競争力の調査を頼まれて見て回ったが、結論は「ダメだ、国際競争力を持てる方法はない」と判断した。大工場のトップはイデオロギーを説くだけで、生産性とか品質に対する概念がまったく無いという。学生時代は熱心な共産主義者で逮捕歴もあるが、後に反共産主義に転じたきっかけがそれだったという。

ソ連では言論・表現の自由が全く無いことがわかった。とんでもない国だ、と実感し、この国に将来性はないと思わぎるを得なかった。だが、そんなことをいえば、テレビ東京にはいられなくなり、日本社会では孤立して、やっていけない、とも感じ、しかし、いつかはきちんといわなければならないと強く思った。

そのときから、私は、いわゆる左翼ではなくなった。 (おわりに より)

転向理由について、渡辺さんは簡単にしか触れておらず本当の胸のうちは分からないが、田原さんは理想が幻滅に変わったように書いている。言葉としては二人とも使ってはいないが、「現実主義」に転じたという事かもしれない。日本がドンドン成長していく頃だから、理念よりも夢中にさせることがたくさんあったと想う。

●宮澤喜一の知恵

宮沢氏から「日本人は、自分の身体に合わせた洋服をつくるのは下手だが、押しつけられた洋服に身体を合わせるのは上手です」と聞かされた。

一九六五年に米国がベトナム戦争をはじめたとき、米国は、「日本よ、ベトナムで一緒に戦え」と迫った。米国の要請は断われないのだが、当時の佐藤栄作首相に、宮澤が「本来ならば、ベトナムで一緒に戦いたいのだが、あなたの国が、難しい憲法を押し付けたので、自衛隊は海外に出られないではないか」といわせて、戦争に巻き込まれるのを回避できた。

その後、この論法で、日本は平和を持続しつづけ、高度成長を実現することができた。

この論法は米ソ冷戦時代が終わると通用しなくなったため、日米安保の片務性と双務性の議論へと発展して安倍内閣の集団的自衛権へと至るのだが、その辺りは本書をどうぞ。

●安倍首相「憲法改正は必要なくなった」2016/9月に一対一の取材

田原「衆参の両院で三分の二以上をとったので いよいよ憲法改正ですね・・・」

安部「大きな声では言えませんが、実は憲法を改正する必要は全くなくなったのです」

今までは「日米同盟が維持できない」とアメリカ高官からうるさく言われていたが、集団的自衛権の行使を認めるようになってからは、アメリカは何も言わなくなった、というのが理由だ。
しかし、実際はその後も憲法改正を目指していた。

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8/28の安倍首相の辞任会見

「月曜日に(辞任の)判断をした。一人で判断をした」

その月曜日(8/24)には二つのニュースがあった。慶応病院へ二回目の検査に通ったこと。もう一つは、連続在任日数が2799日となり、大叔父である佐藤栄作の記録を抜いたこと。

悪いことと良いことが同時にあった日だった。

 

2020年8月26日 (水)

反戦少年だった渡辺恒雄さん、軍国少年だった田原総一郎さん

死と向き合いながら青春を送った人々

ナベツネさんと愛称されつつも、読売新聞のドンとか政界フィクサーとか果ては老害とまで言われたりする渡辺恒雄さんへのインタビュー番組を見た。

8/9放送 NHKスペシャル「渡辺恒雄 戦争と政治~戦後日本の自画像~」

といっても途中から録画したので、”一番知りたいこと”が抜けてしまってガッカリした。

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後日、NHKサイトを調べていたら、なんと三月にも渡辺さんの番組をBSで放送していたことを知って驚いた。コロナ勃発の頃だから気が付かなかったかもしれない。

3/7放送 BS1スペシャル「独占告白 渡辺恒雄~戦後政治はこうして作られた 昭和編」

読売新聞グループのトップ、渡辺恒雄氏(93)への独占インタビューが実現した。70年にわたって日本政治の実像を見つめ続けてきた渡辺氏。「昭和編」となる今回は、吉田茂政権から中曽根康弘政権に至るまで、その知られざる舞台裏が赤裸々に語られる。派閥の領袖たちの激しい権力闘争の虚実。日本外交の秘史。証言ドキュメントで戦後日本の歩みをたどる。インタビュアー・大越健介

 この3/7の昭和編の前半部が 実はネットにあったので見られたが 、違法だからいずれ消されるだろう。また後半ファイルは削除されているため見られないのでがっかりしていたら、なんと、今週末に再放送がある!
戦後政治史を学問ではなく生身のドラマとして関心のある人には必見だ。

再放送 NHK BS1 8月29日(土)午後4:00~午後5:50(110分)。

昭和編(前編)を見たら、渡辺さんへの先入観とは全く異なった印象となり、とても刺激的だった。そして、一番知りたかったのは、渡辺さんが復員後、東大で日本共産党のリーダーとして活動していたものの、そこから転身した理由は何かという事だった。

話しはそれるが、前記事に書いた産経新聞にも渡辺さんより前に似た道を歩んだ人がいた。産経と言えば鹿内家が有名だが、初代社長の水野成夫氏とは東大出の共産党員で赤旗の初代編集長だった。治安維持法で逮捕され激しい取り調べの果てに転向したというが、詳しい事はわからない。その後、紆余曲折を経て財界人にのし上り、マスコミ経営にも乗り出すという有能な人だった。

なお、産経新聞が右派論調に変わったのは、全国紙を目指した頃に経営不振となったための生き残り策と言われる。今でいえばニッチ戦略だ。

また、水野氏や渡辺氏だけでなく田原総一朗氏も似た過去を持っていて、近著「戦後日本政治の総括」を読んでいたので、余計にこの問題に関心があった。田原さんについては次記事に。

その渡辺さんの回答は、昭和編(前編)の中でハッキリと語られていた。

以下、部分抜粋 --- インタビュー初日・2019/11/22

●軍国主義への反発は中学の時から

「太平洋戦争が始まったのは 中学在学中ですよ」

「こんな真珠湾 『勝った勝った』と言うけど 『勝ち目ねえ』 と クラスで平気で言ったもんな」

「もう中学の時から 『絶対勝ち目のない戦争だ ばかげた戦争だ』とみんなクラスの中で言っていたね それをとがめる者はいなかったね」

●当時の高等学校(東京高校)は自由主義だったが、校長が軍国主義化を始めた・・・。

「それで どこかでやっつけてやろう それで一斉蜂起したわけだ ・・・・東校踊りの最中に皆で校長たちをぶん殴ったね」・・・・

「お国のためにこんな戦争は 早くやめなきゃいかんというのは信念だから」

「何言ったってだめですよ 忠君愛国なんて言ったて」

と、若い頃の反骨心を武勇伝の様に語っていたが、その後の話からも軍国主義への強い拒否感は一貫していた。

●1945年4月に東大文学部哲学科に入学

二か月後に召集。学徒出陣では竹下登、村山富市、司馬遼太郎、鶴田浩二らがいた。

相模原上陸作戦を要撃するための砲兵連隊の二等兵となったが理不尽な仕打ちにあったと。

「ひどいもんだよ 理由なしに引っ張り出して 兵営の後ろに それでビンビンってやるわけだ」

「理由ないんだ」

内実無き精神主義に戦前日本の病理を見たという。

「勝てるわけが無いわな・・・」

「僕は10センチ榴弾砲を使う砲兵だった 直径10センチの弾だ」

「その弾は木の弾なんだよね」・・・

「ところが最後まで 戦争終わるまで 配給なかったね 実弾は」

「そんな戦争で勝てるわけないよ」・・・

●そして終戦へ

「(ラジオで)天皇が何か言っているがね 何言っているか誰も分からない」

「東京駅でおりて、ジャンジャン鐘が鳴って、号外の鐘だよ」

「なんだ 終戦の大詔というのは ようするに負けたということじゃないか」

「それで万歳と思ったね こっちは これで助かったと思ったら ・・・

・・・だから栄養失調  ふらふらとなって歩けなくなったよ 東京駅で」

・・・シラミの話

「もうあの軍と言うのは 酷い処だよ とにかく何からかにまで」

・・・

「軍の横暴 独裁政治の悪さ 身にしてみ分かったわけだ」

大越 大きな渡辺さんと言う存在は 権力と密接不可分に我々は実は思っていたんです。

だけど今のお話しを聞くと 戦争体験から 実は独裁とか それによって導かれる戦争に対する反発心 反骨心が非常に強い。そこがアンビバレント(※)な思いをして聞いたんですが

※賛成(好意)と反対(嫌悪)を同時に持つような気持ち 

「あれだけ人を殺して 何百万人も殺して 日本中を 廃墟にした その連中の責任を問わなくて いい政治ができるわけない」

「戦争中から反戦だったんだから僕は」

「絶望の時代だったから 一生に一度あれを味わったらね 何も怖いものは無いね 今 この世の中で」

 ●東大に復学

 体制の抜本改革が必要だと考え、日本共産党に入党した。

「戦争中 天皇陛下のために死ねとか 天皇陛下万歳とか 日常茶飯事のようにやらされた」

「だから戦争終わって 生き残ったから 天皇制を倒さないといかん 真面目に考えていた」

終戦の暮れに代々木の共産党本部へ行き、やがて支部である東大細胞のトップになった。メンバーには氏家 齊一郎(後に日テレ社長)、堤清二(セゾン)ら。

「”党(員)は軍隊的鉄の規律を厳守せよ” と書いてあるのね 俺 軍隊嫌いだから ここにやって来たのに 共産党もこれまた軍隊かと思ったね

「台風が来た それで相当被害を受けて」

「そいう時に東大細胞の会議があって そこに中央委員が来て演説した」

「こういう災害で飢えれば 人民は目が覚める 共産主義者になれる」

「水もなくなる 食うものもなくなったとき 初めて飢え かつえた人民は 体制打倒のために立ち上がる」

「それが必要だと こういうことを言うんだな」

「それで僕は致命的に この共産党をでなきゃいかん 中にいたんじゃ どうにもならんと思ってね」

●東大新人会を作る

 “規律よりも個人の主体性を優先”として活動したら党本部と対立し、除名された。

しかし共産党の中の激しい経験から組織を動かす技術(集団指導技術)を学び、その後の人生で非常に役立ったという。

●新聞記者へ

哲学者を志していたが職業としては難しく 1950年24歳で読売新聞社に入社。以後、今日まで70年。

その後のインタビューは大野伴睦・自民党副総裁の懐刀になる過程や親しかった中曽根首相との関係などへと続いていく。

 


 とてもスケールの大きい方で、「主体的に考える」ということを重んじる人なのだが、気になるのは、今でも主筆と言う立場で社内の現役ということ。経営にはタッチしていないと思うが、論調のボス的な存在であるわけだ。それでは氏が一番嫌ってきた独裁的な組織体制や思想を統制するような在り方に通じないだろうかということ。

 インタビューの途中で、NHKの大越氏がアンビバレントな思いと言ったのは、渡辺さんの現在の保守的な姿勢と反戦的な強い姿勢の対比で言ったのかどうかは分からないが、言い得て妙だった。それに倣うと、渡辺さんの自由な思想性と主筆の座を譲らない姿にもアンビバレントな感じがするわけで、自分が嫌いだった天皇になっているように見えて残念だ。

もうOBでよいのでは。

参考 8/9放送後の大越健介の現場主義(NHKサイト)

 

2020年8月22日 (土)

新聞社の世論調査とネットの世論操作

新聞社の姿勢が表れても、ネット世論よりはマシ。

前記事 NHK世論調査の続き

新聞社もコロナで駅売りが激減して厳しそうだが、安倍内閣の支持率調査にについて、朝日新聞の7月末は支持率33%(不支持50%)だった。朝日の調査は男女別や世代別にも見ることができる点で親切だ(こちら)。

例えば、男38%、女28%という際立つ違いは安倍首相の人柄や言動と関係していそうだ。世代別では、岩盤支持層の一つと言われる29歳以下では46%と高い。ただし各世代別のサンプル数は数百人もいないのでは?

読売新聞の8月は支持率37%(同54%)だったが、記事の書き方は微妙。というのは、支持率は「前回39%からほぼ横ばい」と軽くスルーして、「不支持率が第2次内閣発足以降、最高に達したことに危機感を強めている」と書いていた。

毎日新聞の7月は支持率32%(同62%)だった。

新聞社の姿勢が世論調査に現れやすいのは知られているが、安倍政権になってから新聞社の論調が特に際立ってきたと思う。毎日新聞も面白いのだが、ネット記事の見出しからは安部批判が痛く読み取れてしまい、やりすぎと感じることが多い。その傾向の典型は、2017/5月に改憲問題を独占インタビューして国会答弁で読売新聞を「熟読してほしい」と首相が平気で“推奨”したことかもしれない。

たぶん、新聞社による世論調査結果の差は質問文やオペレーターの応対話法が影響していると思う。

例えば、「分からないとか無回答」という回答比率を見れば、NHKは20%弱、朝日新聞は17%、読売新聞は9%である。読売の値が少ないのが不自然だ。なぜなら、選挙に行かない人が半分もいる母集団に、政治を質問したって答えられない人が多いのが当たり前。だから、分からない比率が少ないのは回答を無理強いしている印象を受ける。

しかし一番の原因は、私的には「○○新聞です、世論調査を…」と電話口で頼まれたら、新聞社への好悪感情で回答拒否が発生する差だろうと思っている。とにかく目標サンプル数に達するまで電話をかけ続け、相対的に自紙購読者が多くなりがちだろうと思う。ちなみに電話口の人に回答を迫るとは限らず、その家の「誰か」を指定する方式らしい。また人口の年齢構成比と同じ比率となるサンプルを前提としていると思う。

ところで産経新聞とフジテレビ系による世論調査の不正は衝撃的だった。

1年間、計14回分の調査の不正をしたという。理由は「オペレーターの人集めが難しかった」という説明で終わっていて真相は不明である。これで産経は世論調査が出来なくなったのだろうか。なお産経の世論調査はまるで見ていないけど、たまたまある本で見た昔の麻生内閣への支持率は他紙より低かった。

最近、世論調査ではないがYahoo!ニュースのコメント欄を見ていて、ミエミエな違和感を持った。

国民民主、分党へ というニュースが8/16日夕方に出た。記事のコメント欄で一万以上のイイネを集めた上位コメントは全て玉木氏を応援する内容である。しかし、同党の政党支持率は1%しかないし、さらに合流しない議員は少数派だから、むしろ玉木氏を批判するコメントが多い方が自然である。つまり、これこそ、敵の敵は味方としての典型的な世論操作では無いだろうか。

これに限らず匿名中心の日本のネット社会では、ネット世論は偏るのが自然であり、イイネと思いたい人のためにあるか、または世論操作のためにあるようなものだ。

おわり

 

 

 

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