カテゴリー「経済・政治・国際」の161件の記事

2021年7月 6日 (火)

小池さんに負けたは論点すり替え

マスコミがパフォーマンスを誇大に伝える悪い癖

 小池さんが療養明けに復帰会見した報道が気になった。

 都議選公示前に体調不良を理由に引っ込み、最終盤にでてきたのでマスコミとしてのニュース価値はあったようだ。しかし、ばたんと倒れても、それが本望のセリフに焦点を当て、コロナや五輪で何を語ったかは些末な扱いだ。たぶん会見の中身が薄かったと思うが、世間は彼女の歯が浮くようなセリフに反応するだろうという、マスコミの先入観が政治の劣化に一役買っている。

 小池さんは、投票直前の土曜日に都民フの十数名を応援に駆け付けたのはサプライズであり、そのために自民党は「負けた」と解釈していた。田崎史郎さんも小池さんの策士ぶりを褒めていた。それは明かな論点そらしだ。負けた原因が自民党にあることを扱わないように、というカムフラージュなのだろう。

 そもそも、自民党は負けても姿勢を改めることは無いだろう。

投票率が9ポイントも下がったのに、浮動票に依存した都民ファーストが議席半減にならないのは、兼自民の表れが根強いのだと思う。小池さんが最後に出てきた位で議席が増えたなんて、根拠が無さすぎる。

得票数の前回比を見ると、都民フは103万票となり前回から100万票減らした票数を増やしたのは立憲と維新だけだ。

都民フの票は半減したのだ。消えた百万票の大部分は棄権だろうと思う。それでも百万票が残っていたのは、都民フが何かの成果を出したからでは無く、大失敗をしていないためかもしれないし、小池都知事の支持率も57%と高いので基盤はあったのだ。

 演技性人格とも言われるように、パフォーマンスだけの人をリーダーだと勘違いする人が多いのが日本の政治レベルなのだから、仕方ない。都民フは西の大阪維新みたいに地域政党だが、維新のようにマッチョで品が無い議員は少ないと思っていた。そしたら、さっそく免許停止違反で交通事故という当選議員が現れた。こういう人が増えてくると、維新化の始まりだ。

 一方、選挙協力で共産党と立憲は伸びたが、立憲は国政では第二党なのに、都市型政党と見なされていないことが分かった。たぶん、大都会の新しい有権者ニーズは扶助的な配賦に期待する人だけでは無いのだろう。

 自民党そのものが能力的に行き詰まっており、衆議院は前回までが勝ち過ぎなのだから、野党間の選挙協力により、各党の支持率が小さくても、それ以上に議席を増やすことは可能だ。しかし、個人的には都民フには小池さんにおんぶした面と古い自民を嫌った新しい保守勢力という面もあり、立憲が国政でその支持層を取り込めないと大きな勢力にはなれないだろうなと感じた・・・。

 昨年秋のアメリカ大統領選挙には関心をもって外電を見ていたが、あちらの投票分析は本当に細かくできていて驚く。日本でも、出口調査をするなら有権者の背景を性別、年齢、学歴、収入、職業、政策判断など細かく聞いても良いだろうと思う。

 

2021年2月16日 (火)

日経平均株価が30年ぶりだがTOPIXの方が実態

先日来、株価がニュースになっている。

とうとう、バブル崩壊後の三十年ぶりに3万円台回復というニュースになった。判で押したように生活感とかけ離れているという話題も被せてくる。

テレビで言っている株価は日経225種のことだが、株式市場全体を見るのは東証株価平均TOPIXである。日経平均よりもTOPIXの方が投信のベンチマークに使われる。5年間比較をすると赤のTOPIXは三年前の高値に並んだ程度である。

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青の日経平均が飛びぬけているのは、ユニクロとソフトバンクの為だろう。この二銘柄は日経平均への影響度が強い。共に最低投資額が一千万円になってしまった。

昔の38000円時代をおぼえているが、世の中の雰囲気は大違いだ。今はコロナの感染者数が40万人、死者数は7000人超えの最中であり、とても暗い。

去年のGDP伸率は前年比マイナス4.8%、リーマンショックの2009年以来、11年ぶりのマイナスというニュースも出ていたが、10-12月期が+12.7%という良い値の方を見て買われていた。でも、緊急事態宣言によりこの1-3月期はまたマイナスだからそのうち下げるだろう。

企業業績は三分の一は増益組、他は減益か赤字のようだ。製造業が堅調なのは中国経済のおかげだろう。

ようするに不況下の株高なのだが、その背景は財政出動が予想以上に大きかったという見方で 安心して上げている。カネ余り相場にモラルは関係ない。

そして、今まではアメリカ相場次第だったが、そこに中国次第も追加されているのが日本の株価だ。

 

2021年2月 7日 (日)

森喜朗の「女は話が長い」の核心はジェンダー論じゃない

話しの短い女性を登用しても済まない話し。

追記 森辞職となればJOC会長・旧皇族出身の竹田恒和氏(フランス捜査当局による贈収賄容疑)の辞任に続くわけで、美しい言葉の裏には利権や封建思想が宿る。


 どうしても「井戸端会議」を連想した思い込みに囚われやすいが、森さんは自分も話は長いほうだと言っていた。彼が根に持っていたのは、予定調和の会議が乱される事、或いは実質的な仕切り役としての存在感が削がれたり、演説まがいの長話を垂れる時間が取れなかったことへの不快感にありそうだ。

 行政の会議とか委員会には、始まる前から用意されたシナリオが消化されれば良いと思っているフシがある。実質、報告会、承認会にみたいなもので行政手続きの工程になっている。

乱数表で選ばれたわけでもなく、フィルターを通して選ばれたメンバーだから、その網にかからなかった人が入ってしまうと、その人の発言は調和を妨げるはずだ。実際、空気を読まないとか無知から論点外れな事を言う人もいるだろう。でも森さんの記憶にあったのは、忖度しない素朴な質問や疑問を挟む人のことであり、それがたまたま特定の女の委員だったらしい。

森発言の裏は「男は話が短くてイラつかない」である。

というのは、委員会に選ばれるは、そこに鎮座した権力者(人事権者)の顔色を伺って、口を挟むなんて「考えもしない」利害関係者が多い。その場にいた山下氏も取材に対して「指摘する機を逸してしまったというのが正直な感想」と言っていたが、会議後に問題視した節はない。つまり森さんへの「教育的指導」ができなかった。

だから既得権益を代表する女性委員だったら予定調和の話となり、素人目線からの話しであっても遠慮し、長話にはならない。実際、行政の委員会に選ばれるなんて名誉なこととして親和的態度に終始する女性だっているはず。つきつめれば、委員会が情や利権で支配されるのか、理で支配されるのかという違いだ。

そこを、体育会系と村社会で重なった部分の人が「女は話が長くてメンドウだ」という次元に、無意識に留めている。森発言をジェンダー論で批判するのは当然だが、そこに拘りすぎるのは矮小化だ。

森さん、麻生さん、二階さん達の主張に共通するのは結論を述べても理由が足りないこと。正直に理由を言うと露骨になるからだろう。もはや老害というよりも老醜に近いのに、それに依存しないとやっていけない日本になっている。

思い起こすのは、この間の畠山市長の政治案件である上平新複合施設検討委員会で異議を唱えた人たちが続出したこと。森発言の裏返しとして、たいへん良い委員会だった。ただ、あの後、「話が長い」なんて愚痴った人はいなかったが、予定通りにいかなくなったと嘆いた人はいただろう。

でも、それが健全なのだから恥じることは無い。

 

2021年1月24日 (日)

ドラマやSNSから飛び出てしまったアメリカ

トランプさんから犬笛(ツイッター)を取り上げた意味。

 結局、予定通りにバイデン大統領の就任式が行われた。トランプがオバマの政策の全否定から入ったように、バイデンはトランプの否定から始めていた。

1/8()は日本では二回目の緊急事態宣言のニュース一辺倒だったが、個人的にはアメリのトランプ支持者による連邦議会襲撃の方が気になった。アメリカ歴史に刻まれる大事件だったが、アメリカって国がとうとう、TVドラマやSNSから飛び出てしまった感じを受けた。

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月ぎめ千円程度のネット配信の有料放送が外出自粛生活下で契約数が増えている。単月視聴もできるので手軽だ。

 20年前のドラマ「24」はホワイトハウス内の陰謀やテロが定番だった。2010年代に作られた「ホームランド」はさらにリアルだった。あの議会襲撃事件後、トランプをクビにする憲法修正25条発動をペンス副大統領に迫る動きがあったが、二つのドラマにも同じような場面があった。また能力のない身内()を側近に重用する話もあった。「ホームランド」では、自分のメディアでウソを煽るポピュリスト活動家が登場したが、人物設定が2016年のトランプ選対責任者スティーブン・バノン風なのに驚いた(先日、恩赦になった)。

最近ではNHKの「グッドファイト2」という法律ドラマが面白い。洗練されたユーモアだけでなく、現実の民主党と共和党という時代を投影し、トランプを皮肉る場面がでてくる。この間はゴールデンシャワーという日本ではまねのできない話題を扱っていた。トランプ政権二年目当りが背景のようで、「あと二年も続くのか」と主人公が嘆いていた。

ところで、24やホームランドでは、陰謀劇の最後に大統領が潔く責任を取って辞任するというハッピーエンドだが、現実はそうはならなかった。

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この襲撃前の集会場所には絞首台があった。アメリカでは絞首台は黒人差別の象徴というが議会乱入後に叫んでいたのは、「ペンスを吊るせ」だった。

 ドラマと比べたらツイッターはもっと酷い状態だった。

 たかだか140文字では政治的な議論はムリなのに、短文で応酬し合うから激しい口調になりがちだ。不思議なのは、四年前にヒラリーの私用メールを批判していたのに、トランプは自分の私用アカウントで政策や人事の話をやりたい放題だったことだ。

議会襲撃後に、ツイッター社からアカウントの永久停止になったことは大打撃だ。

FOXテレビを見るかツイッターばかりをしていたと言われてたので、引退後はテレビかゴルフしか時間を潰しようがないだろう。ワシントン・ポストのファクトチェックでは、トランプは1日15個のウソを言い、数字についてはほぼデタラメだという。ようやく、世間の多くは彼のウソに振り回されなくて済む。トランプが自分でメディアを立ち上げても、影響力の低下は挽回出来ないだろう。

 ただし本人に嘘をついている自覚はない。父親からそう教育されてきたからだ。 

世の中は勝つか負けるかのゼロサムゲーム。権力を持つ者だけが、物事の善悪を決める。うそをつくことは悪ではなく「生き方」の一つ。謝罪や心の弱さを見せることは負け犬のすることだ――。

 本来、フツーの人の道徳観からは相いれない人なのに、巨大な軍事力と経済力を背景に中国を威嚇したり、韓国よりも日本を上に扱ってくれるために、イイネを送っていた日本人が少しは解放されるという事になれば良いと思う。まさか日本には嘘をつくはずないと思っているのだろうか(昔、日米自動車摩擦の頃、日本がどこにあるかよく知らないアメリカ人が車壊していたな)。

ただ、その間に日本のトップも平気で嘘をつき、それが容認される政治的世の中になっている。コロナと同じ感染だ。

 

関連 トランプはソシオパスである

2020年12月17日 (木)

お前はクビだ。

トム・クルーズさんが激怒したというニュースがあった。

二人の撮影スタッフが2m空けて仕事をしていなかった事に対して、「我々は何千という雇用を生みだしている。二度とそんな行為は見たくない。絶対にだ。もし、もう一度同じような行為を見つけたら、お前らはクビだ」と怒鳴ったという。

ミッションインポッシブルの最新作の撮影がコロナ過で何度も中止になっていた焦りもあったようだが、彼をパワハラだと受け止める報道は見当たらない。彼くらいだと人事に係る権利もありそうなので「クビだ」は許されるだろうが、そうでなくても、徹底したコロナ対策をしなくてはならないという主役の使命感なのだとみんな受け止めている。

ところが日本では、菅首相が八人で会食をして世間から総たたきにあっている。国民には四人までと言いながら、自分達は無視して楽しんだ。

ダブルスタンダードだと元鳥取県知事の片山善博さんが批判していた。国民と永田町でルールが違うという意味だ。菅さんを擁護するのは田崎史郎さんだけだった。誘われたら「断れないでしょう」と、先日の昼の番組でニヤケタ表情で彼が発言した直後、コマーシャルのタイミングになってしまった。

次に「スシロー」って大きな文字が流れた・・・

偶然の演出になった。

ついでながら書くと、会食にはみのもんた氏も来ていたという。まだ居たんだ。

菅首相への世間の評価がグンと下がった。彼は安倍首相を支えてきて、安倍氏が病気を理由に逃げた後の後継者なのに、水に流したように62%へと支持を増やした。支持と不支持の差は49ポイントだ。今は8ポイントになった。

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急落はコロナ患者が増えたことに尽きるが、それは本当の原因ではないと思う。安倍内閣の最後の34%から、何の根拠もなく62%へ跳ね上がる異常さに本当の原因がある。

たたき上げだとか、苦労人だとか、派閥が無いとか持ち上げられたが、62%を支持した人たちに深い根拠は無いのだろう。

ただ、前任者と比べると、「人柄が信用できないから」支持しない理由としては低いので優れていた。

トランプ氏みたいに「You're fired!」と言いたい人もいるが、

二階さんから言われなければ良いのだ。

ところが、トム・クルーズさんは「お前はクビだ」と言っていた。

丁度二人いる。

 

2020年11月17日 (火)

アメリカの分断社会と日本

寄稿への返信を兼ねて・・・

先日、コメントが二つ来たのでそれへの返信も含めて書いています。長文です。

8月にベラルーシのルカシェンコ大統領は事前に対立有力候補者を拘束するなどして得票率80%で6選を果たした例がありました。内外から不正選挙だと抗議されています。その連想で選挙妨害(投票所焼討ち)を危惧しましたが、アメリカはそこまで落ちぶれていませんでした。

予想通りバイデン306 対 トランプ213でした。

数字ほどに勝者の高揚感が無いのは、得票差1%未満が3州もあって開票に時間がかかったためでしょう。選挙前からトランプ陣営が郵便投票は不正だと言い張っていたのは、開票の逆転効果を恐れていたわけですから、彼らはある意味予想通りでした。

11/16現在、バイデン78,675,847票(50.8%)、トランプ73,115,212票(47.2%)その差は3.6ポイントです。前記事で示したブッシュ、オバマらの再選時並みにフツーの範囲です。でも共和党は下院で議席増、上院でも互角なので党としては健闘しています。

相変らず勝者総どりのヘンな選挙人団方式ですが、大統領選に直接選挙を望む世論は6割くらいあり、見直しを求める州も増えているとあります(実現ははるか未来でしょう)。でも開票をポランティアがやったり、州の選挙管理委員会が外圧に屈しないなど、流石アメリカです。コロナ禍で投票率67%と近年最高となり、当日投票は全体の35%位なので郵便投票の効果にも驚きました。

コメントに「(トランプの)得票の多さをどう考えるか」とあります。理由として下「2.分極化グラフ」や3の日経記事をあげてみますが、とにかくコロナ死者の約25万人はベトナム戦争の6万人戦死どころじゃないのに大統領の責任が問われませんでした。日本人の感覚では理解できません。


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アメリカのコロナ感染マップはレッドステート化していて悲惨です。

気になるのは、このような分断が日本で起きないかという不安ですが、それは無いと思います。日本人には「私」が無いからです。またアメリカと比べたらずっと社会主義化しています。

 1.最後まで大言壮語するトランプ

トランプ大統領は「米国の利益よりも自身の再選と一族の繁栄を優先していた」とボルトン回顧録に書かれました。一期だけの人は「失敗大統領」と見なされるため、落選を受け入れられないのでしょう。離職後の訴訟や資金繰り不安も伝えられています。

テレビで、トランプ支持者が「大統領選挙で不正があった」と主張する集会ニュースを伝えました。その規模をトランプ氏は数十万人とツイートしました。うそをつくことは悪ではなく「生き方」の一つ』と父親から教わり育った人です(世界で最も危険な男)。さすがに提灯サイトのFoxは一万人、他ニュースサイトは数千人と伝えます。

 写真が本当か否かを指摘するツイッター。四年前の就任式の観衆が史上最多事件を想い出します。

またデモ参加者の声を、NHKは「来月、結果が確定するまで選挙は終わらない。不正のない、公正な選挙を望んでいるだけだ」と伝えましたが、面白いのはTBSの方です。

・「自分の調査ではトランプ大統領は負けていない」

・「心の中では間違いなく不正があったと思っている」

これって、案外、今の共和党が「感情の党」といわれることを裏付けます。

所で、MSNBCサイトは「何千人ものトランプ支持者がワシントンに集まり、不正選挙を誤って主張する」と伝えました。Factだけでなく「間違った主張」だというオピニオンを付けます。NYタイムズも同じでした。 

2.アメリカ政治の共和党と民主党の分極化が進んだ

ビューリサーチセンターの調査が有名です。社会保障、環境、平和、移民など10の政治的質問をして、支持者の党派性のバラツキを調べたものです。1994年には両党支持者の考え方はかなりオーバーラップしていたのに、2017年にはその中央値が大きく離れ、両端へ大きく増えています。

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このサイトでは時系列変化がアニメーションで見られます。特にトランプ大統領後の2017年が極端です。結局、価値観の対立になっていて、これだけ離れると、反論は説得になりません。相手候補には投票しないと言う人が多くなり、それが7千万票の理由だろうと思います。

Quoraで共和党の変質を米国弁護士が書いていたので要約引用します

オバマ氏に負けてから共和党は総括をした。結論は、白人だけにアピールしていたら勝てない。ヒスパニック系にも歩み寄り支持者の多様性を増やす事、移民を迎え入れる融和政策が良いというもの。

しかし、トランプ氏はそれと真逆の候補者。移民に暴言を吐き、ヒスパニック系米国人を「殺人犯、強姦魔たち」と呼び、徹底的に「白人主権」の政策を推し進めた。なので、2016年の選挙にて、共和党は他の候補を推して、何としてでもトランプを止めたかった。

トランプ氏が勝ってから共和党を「トランプ主義」に作り替えた。党内の敵対勢力は叩き潰し、トランプ氏を苦々しく思った政治家は追い出されたか、引退したか、声を潜めたか。

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これを読むとグラフで2017年が極端化した理由が分かります。でもトランプ氏は分断の原因ではなく「症状」です。なぜ支持されたかは下が参考になります。なお、今回の選挙は中道バイデン氏だから勝てたのだと思います。左派サンダースではトランプ再選です。まだまだ「社会主義者」は嫌われます。
ちなみに下院では共和党の新人・女性候補が多く当選して話題になりました。

3.四つの分断

日曜に、「4つの分断、トランプ2.0を生みかねない米国」という日経記事がありました。次のトランプが現れるかもと書き、素地となる四つの分断を指摘します。簡単に要約しました(青字部分)。

第1は経済の分断。

FRBによると上位1%と下位50%の保有資産割合は33%対2%という格差拡大の指摘だ。

コロナ以前よりも米国株は堅調です。トランプ大統領による富裕層減税も寄与しており、常に株高を一番の手柄のように吹聴します。ところが下位層にカウントされる多くの支持者は格差拡大の因果関係を見ません。株価はコロナ対策の財政支出拡大によるバブルであり、その恩恵は上位1割の金融資産保有層に帰属します。

第2は人種の分断。

白と黒の国だったのに今は『レインボー』の国になりつつある。地位の喪失などで、非白人への寛容さを失う白人は少なくない。民主党も人種などの違いを際立たせる「アイデンティティー政治」に走りすぎ。

民主党のマイノリティ支援が不公平だとみる白人が多いのだと思います。この辺りは、日本でも生活保護者やひとり親世帯等の弱者支援策とか高齢者への福祉政策へいら立つ傾向があります。以前、過剰リベラルが産みの親だという指摘を見たことがあります。オバマ氏を嫌う人と一致するようです。

第3は政治の分断。

保守とリベラルの対立は理性で制御できる領域を超え、嫌悪感や敵がい心さえ抱く。エリートと非エリートの対立もある。学歴の高低が米欧の最も深刻な分断軸のひとつだという指摘もあり、学歴格差は、政治の支配層と被支配層を隔てる要因になっている。

学歴格差の指摘には違和感があります。産業構造や成長との関係だと思います。日本でも昔なら高卒者が就く職業に大卒が従事しています。この辺りは、クリエイティブ・クラス化※が起きていると見た方が良いです。ブルーカラーやホワイトカラーではない知識や文化創造型の仕事をする階層です。

※Wikiより アメリカの脱工業化した都市における経済成長の鍵となる推進力と認識された社会経済学上の階級。

参考 大統領選挙の出口調査から、人種と教育の一部を引用

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第4は世代の分断

人口の22%を占めるミレニアル世代(1981~96年生)と、22%のベビーブーマー世代(46~64年生)との価値観の相違は著しい。私たちが米国の平和と繁栄の土台を築いたのだと説教を垂れるベビーブーマー世代と、経済的な格差や人種間のあつれき、政治の機能不全などを放置してきたのはあなたたちだとなじるミレニアル世代との断層の一因がうかがえる。

この世代間対立は万国共通みたいです。
追記 
他にも、記事では取り上げていませんが、価値観の対立とみれば宗教対立も大きいはずです。バイブルベルトと言われる南部はトランプ氏の支持層と重なります。中でも「聖書の言葉が絶対」という理解をするキリスト教福音派の人には政策論争は届かないのだと思います。

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記事の最後には、低中所得層、白人、非エリート、高齢者……。一方の極をなす人々の不満や怒りにつけ込み、「偉大な米国の復活」というスローガンで動員したのが、トランプ氏と共和党による右派のポピュリズムだった、と指摘します。

これを読んで、「戦後レジーム(体制)からの脱却」を政権発足時から掲げ、その中身は曖昧なままに憲法改正に執着したり、「美しい国」とか「一億総活躍」、「国土強靭化」などの言葉を好む安倍首相はトランプ氏に似ています。トランプ氏は「偉大、美しい、歴史的、とてつもない」をよく使います。

二人とも懐古的であり内向きです。また女性よりも男性支持率が高い点で共通するのは、共に父権主義者だからです。たぶん、本を読まないという点でも似ているかもしれません。

  

2020年11月12日 (木)

バラマキ政策で票を買う日本

12万円で歓心を買う区長、5万円話しで買収した岡崎市長

選挙とカネの問題では、アメリカでは有権者が候補者に献金をする話ばかりが伝わるが、日本はその逆ばかりだ。買収で逮捕された河井夫婦議員は議員報酬をもらいながら今も健在である。

千代田区の石川雅巳区長(79)は三番町のタワマンの事業協力者住戸を地権者では無いのに購入できた件で癒着の疑惑が言われ議会でもめた。その区長が、(高所得の多い)区民に一人12万円(66000人で85億円)を給付すると決めたのは、区民の目をそらすためだと思う。動機は違うが、東京都では品川区は一人3万円、新宿区ではコロナに感染した人に10万円給付などがある。

こうしたリッチな給付金配布の報道では、「大企業本社のおかけで税収豊かだから羨ましい」という声を載せる。でも、富の根本は国の政策で資本と人が集積した効果であり、区民の努力だけではない。首都移転や本社移転があれば分るだろう。

特に今の経済状況では、カネを配る政策で有権者の歓心を買おうとする政治家が現れやすい。税金だと分かっていても、コアな支持者達が「彼のおかげ」というように、自分のカネを配ったような顔をされるから困ったものだ。

少し前、公明党が大学受験生に2万円を配れと主張した。受験生だけでなく就職する高校などの最終学年115万人と浪人生約11万人を対象として280億円の規模という。これは自民党から反対されて実現しなかったが、衆院選挙の可能性が高かったら分からない。

そしたらとうとう、当選目当てでカネを配る候補者が現れた。そして見事に市長に当選した。

徳川家康が生まれた愛知県岡崎市は自動車産業もあるから財政は良い方だ。そして岡崎高校と言えば東大進学が多い公立校としても有名だ。

元民進党衆院議員の中根康浩氏は、3選を目指した内田康宏氏に無所属で挑んだ。告示5日前、新型コロナウイルス対策で「全市民に1人あたり5万円、税金をお戻しします」と公約を追加。18日の選挙で3万票余りの差をつけて当選した。

財源195億円の内訳は、コンベンション建設中止(80)+財政調整基金(100)+一般会計から(15)。というものだ。しかし、建設費80億円といっても引当済みの実額ではないから、実は0円である。財政調整基金とは自治体の貯金のことで最新値は80億円だった。こんな小難しい表現が良くない。

しかし、中根氏は国会議員までやった人であり、この程度の裏付けは選挙前に精査できたはず。だから当選後に、できないことが白日に晒され、不足分は他の目的別貯金(施設改修、公園)にまで手を付けると言い出しメチャメチャになっている。ニュースでは

「嘘つきだもん!泥棒じゃん!5万円欲しいもんで(票を)入れたんやん。そりゃ公約守らな辞めてもらうしかない。公約違反!」 (東海テレビ)

実は、千代田区の給付金を伝える街頭インタビューでも「欲しいよね うれしいです 単純に」という声(区民ではない)を伝えていた(FNN)

公約を守らないからサギなのではなく、公約そのものが詐欺なのだと思う。それなのに、上は典型的な大衆の声として伝えているのだろうか? こういう表面的な伝え方には違和感がある。

社会を構成する法人や個人の多くが税金を納めているわけでは無い。中小企業の6割強は赤字なので地方税分の均等割り程度で済んでいる。個人でも無税の人は相当多い。ただし固定資産税は基本的に払わざるをえない。

だけど、カネ欲しさに投票したなんてことを国民が平気で言えるようになると、この国は確実に衰退か自滅途上にあると思う。

タコ足配当」という言葉がある。業績不振のくせにムリに配当して株主に体面を繕うことだ。

配当金の原資は貯金の取り崩しや資産売却だったりする。これは、飢餓やストレス時にタコが自分の足を食べる(自食行為)の喩えなのだが、今の日本人は自分の足を食べているわけでは無い。他人の足を食べているか、産まれてもいない子供の足を食べている、と言った方が正しいだろう。 

だから、菅首相が「自助」を口うるさく言っているのは、日本の衰退を防ぐのはお手上げだ、という意味になる。

 

2020年11月 8日 (日)

トランプ大統領が善戦したとは思えない理由

そもそも現職大統領は初めから優位なのに、善戦ってヘン。

前記事 パイデンが306人、トランプが232人

 一国内だけの争点ならどうでも良い選挙なのだが、アメリカは世界に口も金も軍も出す国だから、気になるわけだ。世論調査ではいつもバイデン氏がトランプ氏を上回っていた。差が逆転することはなく概ね5~8ポイント位あった。

 バイデン当選確実後(279)の得票シェアは50.6%47.7%だった。世論調査の差を半分に詰めている。この点からはトランプ氏は善戦していると評する人がいる。でも、彼はチャレンジャーではない。現職が善戦ってヘンだろう

 他にも、なかなか結果が判明しないことや、(民主と共和に毎回揺れる)スイング州と呼ぶ複数州でトランプ票が先に開いて優勢に見えたことや接戦になったことも健闘を印象付ける(NHK、他の多くの州では政党地盤が固定化している) 。でも、それらは開票に手間のかかる郵便投票の多さによる影響もある。

 ちなみに、(州によると思うが)開票作業の人たちはボランティアらしい。この際、民主主義のエッセンシャルワーカーだと言いたいが、開票を止めろと煽るトランプ氏と仲間はダークサイドに堕ちている。

アメリカの大統領選挙では現職が圧倒的に優位である。

最近はクリントン、ブッシュ子、オバマの三人が再選をしている。どこの選挙でも現職が優位なのに、トランプ氏は世論調査からして劣勢だった。それを選挙で半分埋めたことを健闘と言うのだが、今回は共和党に有利な選挙制度で負けた。

Wikiより 当選者 選挙人 得票率  敗者 選挙人 得票率
2016 トランプ 306 46.0% ヒラリー 232 48.1% -2.1%
2012 オバマ再選 332 51.1% ロムニー 206 47.2% 3.9%
2008 オバマ 365 52.9% マケイン 173 45.7% 7.2%
2004 ブッシュ子再選 286 50.7% ケリー 251 48.3% 2.5%
2000 ブッシュ子 271 47.9% ゴア 266 48.4% -0.5%
1996 クリントン再選 379 49.2% ドール 159 40.7% 8.5%
1992 クリントン 370 43.0% ブッシュ父 168 37.5% 5.5%
1988 ブッシュ父 426 53.4% デュカキス 111 45.6% 7.8%
  • 誰が見てもヘンな選挙制度のまま

 民主党は二回も大統領の椅子をフイにしている。トランプ氏で二回も続けたら暴動ものだろう(郵便投票は不正、選挙制度は正しいというのがトランプ氏だ)。

州ごとの選挙人の数も昔の奴隷を3/5人で数えた名残とし、人口比で選挙人を配分するとカルフォルニアやニューヨークのような民主党が圧倒する大人口州が飛びぬけるようだ。選挙制度を直したら共和党から永遠に大統領は生まれないとさえ言われる。そして人口比例にすれば、一部の州の接戦が全体を左右することもない。それなのに、民主党が選挙制度を変えようとしないのは、相当なパワーが必要になるのかもしれない。

 ・人口動態による変化

 全国的な出口調査がアメリカのニュースサイトで見られる。人種、宗教、学歴、収入など日本では考えらない多くの個人情報で有権者をプロファイリングする。

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 地方の衰退と都市への人口移動、非白人の増加による白人人口が長期的にマイノリティ化するのは分ってる。それ以上に、若者がバイデン支持に傾いたように、彼ら世代の広がりと世代交代が共和党には不利だ。

 こういう環境下なら、共和党は穏健な保守政党としてすそ野を広げればよいのに、白人層の将来不安に付け込んだトランプ的な人間観を丸出しにすることで溜飲を下げている。

 本日バイデン氏の勝利宣言を見た。77歳の老人が、暗がりをスーツ姿で壇上まで走ったのには驚いた。一方のトランプ氏は前から「負けを認めない」と言っていた。から元気も男らしさのうちなのだ。法定闘争も予想通りだが、一月まで任期中に外交で「とんでもない事」をしでかさないだろうか。

 なお再集計のコストは依頼側が負担する(州による) というのは流石、アメリカらしい。

菅首相がトランプに気兼ねせずに早々にバイデン氏に祝意を表したのは意外だった。

安倍さんならどうしただろう…

バイデン氏なら首相訪米は見送り トランプ氏なら早期にお祝い

12/21 4.5%ポイント差だった 81,283,098票(51.3%)、74,222,958票(46.8%) 

 

2020年11月 6日 (金)

パイデンが306人、トランプが232人だと2016年の逆だ

アメリカ大統領選挙2020は前回の逆になりそうだ。

前回2016年は、トランプ306 対 ヒラリー232 

前記事に書いたように、バイデンはジョージア州 16 で逆転しそのまま差を広げる。

次にペンシルベニア州 20 に注目が集まる。郵便投票分の開票が進んで差をグングン縮めている。

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22時で2万票の差まで詰め寄った。開票率95%、残りの推定360,991票。大都市フィラデルフィアは開票率91.5%、バイデン80%のシェアがある。

2÷36万票は6%弱に過ぎないから、54対48 で分ければバイデン勝利という皮算用になる。

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22時。すでにアリゾナを勝利と見なされ バイデン264、トランプ214 と伝えるサイトもある。

バイデンは更に、264+16+20=300となる。仮にネバダ入れると306

トランプは 214+アラスカ3+ノースカロライナ15=232 

激戦州は票数の再点検があるから先は分からないけど、どうせなら前回の裏返しの数になると、これまた面白い話になる。

大統領を引退した人は優雅な引退生活に入るらしいが、トランプ氏の場合は訴訟したり、訴訟されたりの生活が待っていると予想される。

 

大統領選挙に見るアメリカの深くて凄い所

当日分よりも郵便分が、田舎よりも都市部の開票が遅れるのは当たり前だから、都市型で郵便投票主体のバイデン氏が後半伸びるのは自然。
ジョージア州で逆転した。

前記事 トランプはソシオパスである

 アメリカ大統領選挙の開票が遅れているのは、郵便投票の開票作業に手間(工数)がかかり、郵便投票が予想外に増えたことらしい。

日本では投票所を増やせという意見があるが、増やした所で近年の投票率には効果はなく、選挙コストが増えただけだろう。期日前投票は増えたが、投票習慣のある人に利便性をもたらし、投票率は下がる一方で運営コストは増えたかも知れない。

今回、目にした郵便投票は魅力的なので日本でも真剣に検討すればよい。現職の多くは反対するけどね。なおインターネット投票にはサイバー攻撃の不安が残る。

 ●開票報道は流石にアメリカだ

当日の展開から日本のトランプ支持者は「今度も世論調査を跳ねかえした」みたいに浮足立った人がいたが、一夜明けてブーメランに当たったみたいにバツが悪い。当日分よりも郵便が、田舎よりも都市部が後になるのは分かり切ったことだ。だから郵便型・都市型のバイデンが票を伸ばしている。

  • 州の中まで地図グラフからポップアップで見られるITレベル

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アメリカのニュースサイトでは州内の選挙区・群レベルまでデータが見られる。アメリカ全土と同じく、州内でも地方は共和党、都市部は民主党という勢力分布がハッキリ見える。土地の広さは関係なく、都市部の票数はダントツに多い。赤い地域は過疎地かって感じの所もある。

この群レベルを見せるのはNYタイムズだとアカウントが居るが、MSNBCとかFOXは自由に見られる。日本ではここまで官民のIT化が徹底していない。

  • 激戦5州の一つジョージア州(16)でバイデンが逆転。

朝見た時は未開票71000票で3500票差だったが、夕方でも「残りの推定66,809」だ。夜はお休みなの?。だが差は463票になった。開票率99%でも都市部はバイデンが55~80%のシェアがあるために逆転する、とツイートしたら、FOXが逆転したことを伝えた。19時、日本のニュースではまだだ。

  • 世論調査からは大きくは外れていない。

18時に見たら得票シェアはバイデン50.5%、トランプ47.7%である。2.8ポイント差は世論調査(いろいろあり過ぎて分からないが)よりも小さいけど外れてはいない。原因の一つは世論調査に応じる人には学歴差があると言われる。

  • 2016年のヒラリー・トランプの大統領選挙は

 投票率が55.3%、 結果は、ヒラリー232対トランプ306であるが、得票数は6300万対6580万である。一票の格差なんてもんじゃないのは、この制度を変えるには議会で圧倒的多数にならないとムリなのだろう・・・。

つづく

 

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